大好きな、マスコン寸止めパターンです! 定期的に書きたくなる!!
でも、今回は後味の悪い系。陵辱を匂わせてのEND! 卑怯です。自分で言うのもなんですが。
思い込みとすれ違いが錯綜する二人です。たまには、コンちゃんが年相応に子供っぽいというか、奥手というか、マスクと自分の間の性的な隔たりを認識するということで!
ちょっとだけコヨーテも出るお。
ユニオン・ホテルはもう夜の静かな空気に包まれていた。
コンが遊びに行って、部屋に戻っていないので、マスクはホテル内を捜索していた。
ひょっとしたら、コンは、自分の次に慕っているコヨーテのところに行っているのかもしれない。
マスクはそう思い当たり、コヨーテの部屋を訪れた。
予想通り、コンはコヨーテの部屋で遊んでいたらしい。だが、マスクがコヨーテの元に訪れた際には、もう居なかった。
「ああ。行き違いだな? さっきまで、ヴィデオ・ゲーム一緒にしてたんだ」
「そうか? じゃあ、僕の部屋に戻ってるかもな」
マスクは立ち上がり、コヨーテに言った。
「もう11時だ。あまり遅くまで居るようだったら、僕に連絡してくれ」
「ああ?」
コヨーテは面白くなさそうに眉を顰めた。
「あんたがコンと一緒の部屋で過ごしてるってが一番問題だろうが?」
「僕は保護者みたいなもんだ。僕が守ってあげないと君ら同盟のメンバーだって、何かないとは限らないだろう?」
コヨーテは大きなため息をついた。「んなこと言って、あんたがコンを独占したいってのはバレバレじゃねえか」
「それに俺よりもダンあたりがやばいぜ?」
「大丈夫だ警戒は怠っていない!」
マスクはコヨーテにコンと遊んでもらった礼を言ってから、部屋を出ようとした。
その背中が呼び止められた。「まあ、待てって。チャンピオン?」
「ちょっと見ていけば? どうせコンと一緒だったら見られないだろ?」
コヨーテはテレビのチャンネルを変えた。
スピーカーから、獣じみた喘ぎ声が流れる。ポルノ映画だった。
「おっ。結構可愛い子」
「いや、でももう帰らないと?」
「あっそ。じゃあ俺一人で見るか」
コヨーテはビールを啜りながら身を乗り出した。
マスクもなんだかんだと言って、テレビの液晶を眺める。
子供たちに夢を与えるヒーローではあるが、禁欲者でも、聖人というわけでもはない。久々に目にする過激な映像に、男の本能が刺激された。
「なあ、最近セックスしてるか?」
コヨーテは画面から目を逸らさずに聞く。マスクも画面を見たままで答えた。テレビでは金髪の女性が、男の性器を丹念に指と口で愛撫している。
「まさか。さっぱりだよ。こんなこと、もうずいぶんしてもらってない」
思わず本音が出る。
マスク自身、性欲の権化とまでは言わないが、それなりに好きな方ではあった。だが、言葉通り、最近はめっきりご無沙汰だ。最も、コンと暮らしだしたのだから、それは当然のことだと割り切っていた。
「俺も」
コヨーテの意外な言葉にマスクは目を丸めた。思わず腰を下ろす。
「君は楓と仲がいいだろ?」
コヨーテは顔を手で覆い、大げさにため息をついて、床にごろんと寝転んだ。
「あいつ、セックス嫌いなんだよ。フェラなんて絶対にしてくれねえ」
マスクは一瞬言葉を失い、憐憫を込めた声で言った。
「それはお気の毒に」
同盟内の恋人同士だというのに、それでは一緒にいるだけ生殺しだろう。
マスクは無意識に自分と重ね合わせた。
自分より二周りも若い恋人を思い、マスクも知らずため息が漏れる。触れるだけのキスしかできない恋人。
「もう、俺、股の間にリンゴがぶらさがってるみてえなもんだよ?」
「君がリンゴなら僕はスイカだな」
「何げに大きさ自慢してんじゃねえよ」
「そのくらい切羽詰ってるってことだ」
コヨーテは身体を起こして腰を振る女性に見入った。
「ああ〜、やりてえ」
「本当だな」
マスクも同意して頷く。ふいに、ドアが軋むような音が聞こえた。コンが部屋に入って来ていた。
「コ、コン」
マスクは慌てて立ち上がった。ポケットに手を突っ込み、半ば起き上がった己を抑える。
コヨーテは振り返ると、特別慌てる様子もなく手招きした。
「お? どうした? コン?」
「部屋、帰ったのにマスクいないんだもん」
「おう。一緒にポルノ見てた。コンも一緒に見ようぜ?」
「い、いや、違う! 君を迎えに来てて、少しだけ見せられただけだ!!
マスクは強く否定して首をぶんぶん振った。
コヨーテは気にとめることなく言葉を続ける。「んな、気にすんなって」
「コン、俺とエッチなビデオ見たことあるし、平気だよな?」
「うん。別にオレ、こういうの見てても怒ったりしないよ」
コンは平坦な声でそう言うと、いつもどおりマスクの手を握った。
マスクは内心ではひどく安堵した。
軽蔑して、嫌われてしまったのではないかと思っていたのだ。
二人はコヨーテにおやすみを言うと、部屋を出た。
手を繋いで歩けることに、マスクは心から安堵していた。
だが、マスクの部屋に行き当たった時、コンは足を止めた。マスクの部屋に入ろうとしない。
「コン?」
どうしたことかと思い、マスクは跪き、今の肩に両手を置いた。
やはりポルノを見ていたことを怒っているのかもしれない。
「どうしたんだい? 怒ってる?」
「ううん」
コンは首を振った。だが、その声はマスクが聞いたこともないほど静かで不安げな声だった。
「オレ、今日は泊まるの止めようかな……」
「コン?」
マスクは誇張でもなんでもなくショックで血が下がり、目の前が真っ暗になった。
コンがマスクを慕い、一方的に部屋に押しかけてはいるものの、もはやコンはマスクにとってかけがえのない存在だった。
今更、一人で眠るなんて考えられない。
添い寝しかできないにしろ、コンと離れて寝ることなんて耐えられなかった。
「コン、あの……ああいうものは、もう、金輪際見ない! 誓うよ!! それに、僕はああいうのがそんなに好きな方じゃないんだ。本当だから!」
「……いーよ。別に。どんどん見て」
「見ないよ! もう、見ない!! だから機嫌直して」
コンのバンダナにじわりと涙の跡が広がる。
泣かせてしまったことをマスクは恥じた。
やっぱりあんなもの見るんじゃなかった。コンに嫌われる。
マスクは必死にコンに縋った。だが、コンは肩を震わせて言った。「違うよ!!」
「違うよ、マスク。そうじゃないよ! オレ、本当に怒ってないし」
コンはしゃくり上げながら言った。
「マスクは本当はああいうこと、したいんだろ?」
「え?」
コンは震える声を抑えるために、ぎゅっと握った拳を唇に当てながら喋った。
「セックス……本当は、オレと、あんなことがしたいんだろ?」
「な……? え……」
否定も肯定もできなかった。
コンとセックスしたいのは事実だったが、ここでそれを言える状況ではないことを理解していた。
「でも……オレ……あんなことできないよ……ムリ……」
コンはぐすぐすと泣き出した。
マスクはようやくコンが言いたいことを理解しだした。「コン」
「き、君、いつから聞いてた……?」
コンは一度大きく鼻をすすった。「マスク」
「オレ、ガキでごめん……」
マスクは叫びだしそうになった。コンは今までに子供扱いされることを一番嫌っていた。けど、それを認めさせることを自分はしてしまった。
「ごめん……ごめんなさい……」
「コン! そ、そんなのいいから!! 頼む、気をつかわないで!」
「マスク、本当はしたいんだろ? オレと、エッチなことしたいんだろ?」
「僕は君と居られるだけで幸せだから!」
「でも、ムリだよ! オレ、エロビとか今まで笑って見れたけど! あんなの、オレがするんだと思ったら、ムリだよ!!」
「し、しなくていい! しなくていいんだ!」
「でも、したいんだろ?」
コンの言葉にマスクは声を詰まらせた。コンは泣きながら言った。
「オレがマスクに我慢させてるのに……できないなんて、すげえ、辛い」
「コン、本当に……」
「オレ、今日から自分の部屋で寝る。マスクもその方がいいだろ?」
「コン!」
マスクはコンを抱きしめたが、コンの決意は堅かった。
何より、自分に襲われることを心配している部分も見受けられた。
それを悟ってしまったら、もう、マスクは何も言えなかった。
「……わかった。送るよ」
マスクはのろのろと立ち上がると、コンの手を握った。
大丈夫だ。これで関係が壊れるわけじゃない。一緒に寝られなくなっただけ。ただそれだけだ。
ほら、いつもどおり、手を繋いで歩いていられる。
マスクは自分に言い聞かせて、歩いた。そうでもしないと、どうにかなりそうだった。
コンの部屋に行き着き、コンはするりと手を解いた。
マスクは再び、コンの前に跪く。「……コン」
「……おやすみのキス、まだだろ?」
それはいつもの二人の習慣だった。それが途絶えるのは絶対に嫌だった。
「うん」
コンは頷くと、マスクの首に腕を回した。
マスクは素早く、覆面の紐を解き、口の部分を露呈させた。
顎を軽く上げた、コンにマスクは唇を重ねる。
いつもどおりの、触れるだけの、ささやかなキスだった。
その筈だった。
だが、マスクは何かが自分の中でぶつり、と切れたのを感じた。
気づいたら、コンをドアに押さえつけ、コンの口内に舌を割りいれて、コンを思う存分に味わっていた。
コンは手足を激しくバタつかせて抵抗したが、体格差がありすぎた。空しい抵抗が、やがて力ないものに変わり、マスクが息を継ぐ時に、コンはぐったりとドアにもたれていた。
「コン……」
マスクはコンの頭を撫でて優しく呟いた。
「部屋に……上げてくれ?」
「え……?」
「水を一杯飲んだら帰るよ」
コンが恐怖で震えてるのが分かった。けれど、マスクはそれを無視した。
コンが自分から離れて行こうとしてるのに我慢ならなかった。
きっと、いつもどおりの夜だったら、俺はこんなに昂ぶらなかっただろう。
「や、やだ……マスク、さっきのキスもいつもと違う……」
マスクは答えなかった。覆面を直し、立ち上がると、コンの手を握った。小さな手は、もう自分の手を握り返してくれなかった。
「嫌だッ! 放せ! 放して!!!」
コンはその手を振りほどこうとしたが、マスクは、コンを抱き抱え上げると、部屋のドアを開けた。コンが硬直する。
腕の中でコンが泣き叫びながら暴れている。
きっと自分は、水一杯などで帰らないことをマスクは自覚していた。
ドアが閉まり、オートロックが機能した。
- 2008/06/19(木) 22:55:19|
- SS(killer7)
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